身近な仏教用語

04:六波羅蜜、般若波羅蜜

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六波羅蜜とは、大乗の菩薩の修めねばならない6種の行業のことで、六度とも言います。

1.布施「ふせ」・・・施しをすることです。
2.持戒「じかい」・・・戒律を守ることです。
3.忍辱「にんにく」・・・耐え忍ぶことです。
4.精進「しょうじん」・・・進んで努力することです。
5.禅定「ぜんじょう」・・・精神を統一し、安定させることです。
6.智慧「ちえ」・・・真実の智慧である悟りを得ることです。

六波羅蜜の中で、最後の智慧波羅蜜が、般若波羅蜜で、一切諸法の真空の理に達した智慧によってさとりの岸に至ることです。

般若は、智慧、明「みょう」と漢訳され、波羅蜜は、波羅蜜多とも音写し、到彼岸「とうひがん」、度と漢訳されています。

波羅蜜は、迷いの此岸「しがん」から悟りの彼岸「ひがん」に至ること、またはそのために修行する菩薩の行をいいます。

語源的には、完成した最も優れた状態を意味します。

悟りに至るか確証はできませんが、人生に適応し、進化・成長して、成功や幸福の成就を願うなら、前五波羅蜜は大変効果的な方法と言えます。

1.布施波羅蜜で、施しの心、振る舞いを示せば、好意の善因が人の縁によって善果をもたらすことでしょう。
与えよ、さらば与えられん。ギブ.アンド.テイクの順番ですね。

2.持戒波羅蜜で、ルールを遵守すれば自分も守られます。法律や従業規則を破れば罰され、道徳を破れば非難されます。
自分の決めた約束を破れば、自己破綻や自己嫌悪に陥ります。
他人と比較せず、自分の規律を持てば、見事な自己実現が叶ってきます。

3.忍辱波羅蜜で、苦痛や逆境に堪えましょう。もう嫌だ、今キレる、ここが忍耐のしどころです。
降りるのは、峠を越えてからにすれば、逆戻りせず先へ進めます。

4.精進波羅蜜で、意識して取り組むことこそが自身の能力になります。
与えられたことを仕方なしにこ なしても、成長・進歩は微々たるものです。
十年の経験は三年の実績が平均値です。
仕事でも、もう一歩だけ、あと15分だけの意識的前進が、必ず後の成果実績に結び付いてきます。
ここまででいいやと思うそこからの一歩が、成功の秘訣です。

5.禅定波羅蜜では、瞑想が行じられます。
瞑想とは、表面意識の雑念を一時停止させ、潜在意識の奥深くにまどろむ真我の心、生命の実相に触れる行法です。

眼を閉じるか半眼にして、姿勢と呼吸を整え、雑念を追い駆けず心を澄ませてみてください。
医学・大脳生理学・心理学による定期的な瞑想習慣の効果は次の3点です。
1 血圧・心拍の正常化、体細胞の活性化による健康体の実現
2 意識の調和、心の安定化による健全な精神・円満な人格・魅力ある個性の実現
3 大脳のシナプスの働きの強化、潜在脳の覚醒によるとぎすまされた能力の実現

これらを通じて、現状の此岸から実りある彼岸の未来を実現しませんか?