身近な仏教用語

22:お彼岸について

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彼岸は彼岸会(ひがんえ)ともいい、
春分の日、秋分の日を中心に前後三日、合わせて七日間をいいます。

今年の春分は3月21日ですから、
春のお彼岸は、3月18日が彼岸入り、3月24日が彼岸明けになりますね。

お彼岸というと、一般的に、お墓参りや先祖供養が行われるときですが、
このお彼岸の習慣の起源は平安時代までさかのぼります。

彼岸の意味は、あの世、つまり浄土の世界を指し示す言葉です。

仏教では煩悩で汚れた此岸(しがん:この世)を娑婆世界といい、
それに対して清らかな世界を彼岸、つまり浄土の世界といっています。

仏教伝来以来、鎮護国家であった大乗仏教は、だんだんと民衆にも浸透していき、
本来の衆生済度の役に立つようになっていきましたが、平安時代に入ると、
仏法が滅して救いがたい世が到来したという末法思想が広まり、
民衆は極楽浄土に強いあこがれの気持ちを抱くようになったようです。

その極楽浄土が西方十万億仏土にあるということから、
ちょうど太陽が真西に沈む春分の日と秋分の日を中心として、
その前後三日ずつを加えた計七日間を「お彼岸の日」として、
日本人の生活の中に浄土をしのぶ日として定着していったようです。

昼と夜、光と闇、此岸と彼岸が等分される日が、春分と秋分。
この世とあの世の境目であり、等しく有るときが、お彼岸ですね。

お彼岸には、仏前に、春ならば菜の花やキンセンカ、ユキヤナギなど、
秋ならば菊やリンドウなどの花を仏花にして飾り、
お団子やアンコ餅も供えて、故人をしのび、先祖を供養します。

仏壇がある家では、彼岸前にでも掃除をし、花などを活け、アンコロ餅などをお供えします。

ちなみに、お供えのアンコ餅は、春は「ぼたもち」、秋は「おはぎ」といいますが、実は同じ物ですう。
この呼び名は、季節の花に関係していて、春は牡丹、秋は萩にたとえられているのです。

父母や生きてる祖父母などは、彼岸に逝くまでに、この此岸に居る間に、供養?してあげたいものですね。

ちょっと供え物を届けて、一番近い先祖に奉仕すると、善い陰徳になりますよ。^^

私がホトケになったなら・・・お彼岸にアンコロ餅と決めずに、お酒でよいのだよ。

生きてる間に、届けて供養してくれたら、もっと嬉しいっ。