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21:中秋の名月にちなんで、十五夜の満月閑話

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中秋とは、旧暦8月15日のことです。
仲秋とは、秋を、孟・仲・季(初・中・晩)の三期に分けた真ん中の、陰暦8月のことですから、
チュウ秋の名月とは、厳密には、「中秋の名月」と書くのが正しいのです。

新暦では、今年2018年は、9月10日が旧暦8月小朔日となり、旧暦の8月は29日間。
旧暦8月15日は、9月24日になり、この日が仲秋の名月となります。
実際の満月は、翌25日です。

古来、日本では、秋に入って空気が澄み、夜空に浮かぶこの月を最も美しいものとして、
ススキや月見団子を供えて鑑賞したわけですが、実は、月見行事のルーツはよく分かっていないのです。^^;

一説によると、中国各地では月見の日にサトイモを食べることから、
もともとはサトイモの収穫祭であったという説が有力となっています。
う~ん。サトイモの煮っ転がしを食いつつ、月を愛でても、あまり風流な感じがしないような?(笑)

その後、中国で宮廷行事としても行われるようになり、それが日本に入ったのは奈良~平安時代頃のようです。
それで「十五夜」「中秋の月」を、別名「芋名月」と呼ぶのでしょう。

また、日本では、8月15日だけでなく、旧暦9月13日にも月見をする風習があり、
こちらは「十三夜」、「後の月」、「栗名月」とも呼ばれています。

十三夜には、月見団子の他に栗や枝豆をお供えします。

各地には「十五夜をするなら、必ず十三夜もしなければいけない」という言葉が伝えられており、
片方だけの月見を嫌う風習があったようです。

この十三夜の風習は中国にはなく、日本独自のものです。

今年、2018年では、十三夜を祝う旧暦9月13日は、10月21日になります。
実際の満月は10月25日で、この日は旧暦9月17日ですので、正しくは十七夜になりますね。

実は、陰暦15日が、満月になるとは限らないのですよ。w
統計によると、むしろ、満月でない方が多いのですね。^^;

旧暦の1日は、朔(新月)となる瞬間を含んだ日ですので、
0時0分に朔となる日も、23時59分になる日も同じく「一日」になります。

朔(新月)から望(満月)までの平均日数は、約14.76日で、これが本当の満月の月齢の平均となります。

これは1の旧暦15日の月齢平均より0.76日分だけ長い値です。

このため、実際の満月は旧暦15日より遅れる傾向があるのです。
また、実際には、月の軌道が円でないなどの理由から、
朔から望までの日数は、約13.8~15.8日の間で変化します。

何はともあれ、秋の夜は空も澄んで、月見には最高です。w
したがって、十三夜も十五夜も祝って飲まねばならぬ。(自爆)

江戸時代の書き物を紐解くと、「この十年で、中秋の月が愛でられたのは、一度だけじゃった。
あとの九度は、雨ばっかりやもんね。くすん。(意訳w)」とあります。
やれ、台風だの、秋の寒冷前線だの、秋の長雨に見舞われてたようですね。^^;

四季がずれてる、今日この頃、はてさて、9月24、5日は晴れてくれるのかしら?
ところで、地球から月までの距離は約384,400kmで、肉眼で月の表面が見えるわけです。

月は地球に対していつも同じ面を向けて回っているので、世界中どこで見ても、同じ表面を見ています。
(見える角度に多少の違いはありますが。)
ところが、月うさぎは万国共通ではないのです。

韓国や中国では、日本同様、ウサギに見えるそうですが、
中国のウサギはお餅をついているのではなく、薬草を挽いています。

また、中国の中でも、ウサギではなく大きなはさみをもった「カニ」という地域もあります。
月の黒い部分を注目して、「カニ」に見立てる国は、世界に結構多いとのことです。

・欧米では、「女性の横顔」
・インドネシアでは、「編物をしている女の人」
・ベトナムでは、「木の下で休む男の人」
・オーストリアでは、「男性が灯りを点けたり消したりしている」他にも、
「インディアン」・「本を読む老人」・「怪物」・「ワニ」・「ロバ」など種々様々です。

また、月の白い部分を注目しているのも各国様々です。

・カナダインディアンは、「バケツを運ぶ少女」
・北ヨーロッパでは、「本を読むおばあさん」
・南ヨーロッパでは、「大きなはさみのカニ」
・東ヨーロッパでは、「横向きの女性」
・バイキングは、「水をかつぐ男女」
・アラビアでは「吠えているライオン」
・ドイツでは、「薪をかつぐ男」
・モンゴルでは、「遠吠えする犬」
晴れたら、十五夜の月をよく見てみて下さい。

固定観念に呪縛されず、観自在な心で、よぉ~く見ると、ホントは何に見えますか?
うう~ん。これは、白い薄絹のかぐや姫が、私を手招きしているような?(妄爆)
ああ・・・現実には、ウチの山の神が、リビングを片付けろと呼んでるよ。。(恐縛)