アラカルト

31:2006年の通年薬膳考・・・その2 黄の料理

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黄色は土気に属し、土は金を生む母です。

金気の方角である西方に、黄色のグッズを置いて金運を生め!

なーんて、小学校レベルの風水でよく言われてますね。(笑)

黄色い食べ物なーんだ?
と訊かれて、真っ先に浮かんだのは、カボチャ。^^

カボチャは、カロテン、ビタミンB1、C、食物繊維などが豊富な
丈夫で長持ちする野菜ですね。

原産はアメリカ大陸ですが、
「カボチャ」という語はポルトガル語の
Cambodia abobora (カムボチャアボボラ、
「カンボジアのウリ」の意)の後半が略されたものです。

逆に前半を略して「ボーフラ」と呼ぶ地方もあるそうです。(爆)

また、「南瓜」は「南京瓜」の略です。
「唐茄子(とうなす)」「南京(なんきん)」と呼ばれてもいますね。

栽培されているカボチャは主に3種類で、西洋カボチャ、東洋カボチャ、ペポカボチャです。

東洋カボチャは、日本には天文年間に、ポルトガル人がカンボジアから持ち込んだものです。

ペポカボチャは、中国を経由して来たために、唐茄子とか南京と呼ばれるようになったそうです。

日本では、京都のみならず全国に、冬至にカボチャを食べる風習がありますね。

ビタミンAは鼻やのどの粘膜を守り、感染症への抵抗力を高めます。

冬至にカボチャを食べる習慣は、乾燥と寒気の冬に備えた古人の知恵ですね。^^

日本カボチャより西洋カボチャのほうが、いろいろな栄養素を多く含みますが、
カロリーは高めですから、ご飯食べなくてもいいですよ。(笑)

カロリーが高いと言っても、サツマイモの半分以下ですから、
ご飯を減らして、肥満や生活習慣病を予防しましょう。^^v

カボチャの黄色を主にして、黒の要素を取り入れた料理を考えてみましょうね。

カボチャのゴマコロッケは如何でしょう?

カボチャのゴマコロッケ
材料(4人分)
カボチャ・・・・・・1/4個(約300g)
ツナ(油漬け缶詰)・・・・・・100g
卵・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1個
牛乳・・・・・・・・・・・・・大さじ2杯
白ゴマ・黒ゴマ・・・各大さじ2杯
パン粉、塩、コショウ、小麦粉
揚げ油、ラディッシュ(なくてもいいけど、ささやかなコダワ
リなのよ。許してね。^^;)

(1) カボチャはわたと種を取り、ラップをかけずに電子レンジで1分強加熱する。
皮をむき、おろし金ですりおろす。

(2) (1)、ツナ、パン粉大さじ2~3杯、塩小さじ1/3杯、コショウ適量を混ぜ、8等分して俵形にまとめる。
(3) 卵を割りほぐし、牛乳を混ぜる。

(4) パン粉1カップに白ゴマと黒ゴマを混ぜる。

(5) (2)に小麦粉、(3)、(4)の順に衣をつけ、中温の揚げ油で揚げる。

(6)器に盛り、飾り切りをしたラディッシュを葉っぱも添えて出せば、
見事、陰陽五行の色合いも調和して美しいぞ。^^v

これだけじゃ、なんか寂しいなあ。(私の気のせい?^^;)
深夜、つくねんと一人ぽっちでもの想い、イタコならぬイトコのことを考えています。(謎爆)

カボチャのイトコ煮というのが、確か石川や福井の郷土料理にあったような?^^

ほや、ほや、確かあったわいのぉ。
武生出のおばばがこさえたこと、あったもんやでの~ぉ。(笑)

イトコ煮の語源には、諸説ありますねえ。

小豆(アズキ)をカボチャまたは里芋、大根、ごぼうなどと煮るイトコ煮は、
堅いものから追々(オイオイ→甥甥)に入れて煮るところから名付けられたという説。^^;

12月の年中行事、「お事始め(正月の支度に取りかかる意)」に作る根菜類や
アズキを煮込んだだけの「お事汁」がなまってイトコ煮となったという説。

また、カボチャとアズキは煮たような味のでんぷん質だからとイトコ煮と呼ぶと解釈する説もあります。

それでは、カボチャのイトコ煮です。

材料(4人分)
カボチャ・・・・・・・1/4個
アズキ・・・・・・・・1/2カップ
黒ゴマ・・・・・・・・適量
砂糖・・・・・・・・・大さじ2
味醂・・・・・・・・・大さじ2
塩・・・・・・・・・・小さじ1/2
醤油・・・・・・・・・大さじ1
味噌・・・・・・・・・大さじ1

作り方
(1)アズキはたっぷりの水を入れて火にかけ、煮立ったら一度捨て、
再びアズキの3倍の水を加え、煮くずれないように軟らかく煮る。
(面倒だったら、ゆでアズキ1缶を買って来て。^^)

(2)カボチャはところどころ皮をむいて、4~5cm角の乱切
りにし、ひたひたの水(だし汁400ml)と
砂糖・塩・醤油酒・味醂を入れ、軟らかくなるまで煮る。
落し蓋して、鍋蓋して、強火で火にかけ、沸騰したら火を弱くして15分程度だよ。

(3)カボチャにスッと串が通る頃にゆでアズキ、味噌を加え
、  煮汁が減るまで弱火で煮含める。

(4)皿に盛りつけ、炒った黒ゴマを適当にたっぷり振りかけ
ていただくと、黒ゴマの香ばしい風味と薬効も働き、ええもんです。(笑)

カボチャや芋を多く摂ると、腸内ガスが発生しやすくなりますが、黒ゴマがそれを解決してくれ、
カボチャの繊維質と協力して、便通を良くしてくれるのです。

通じることは、良いことです。
便も、言葉も、想いもね。(再度謎笑)
ご紹介した二つのカボチャ料理には、黒ゴマをあしらいました。
大昔から使われてきた食材です。
ヘブライ語聖書(最古の聖書)には、「神の創造による不滅の植物」と記され、
また中国最古の医薬書である「神農本草経」にもゴマのすぐれた効能が示されています。
中薬大辞典では、ゴマは「肝腎を補い、五臓を潤す」とも記されています。

ゴマのカルシウムは、チーズの2倍、牛乳の11倍ほどもあり、
水気(腎気)の五根である骨を補うことも、東洋医学の観点からは自明の理ですね。^^

ゴマには、ゴマ特有のゴマリグナン(セサミン、セサミノール、セサモールなど)や
ビタミンEなどの抗酸化成分が豊富に含まれています。

黒ゴマや黒大豆は、「腎」の機能を高める働きがあるのですが、
漢方でいう「腎」とは、腎臓のみならず副腎、生殖器、脳、生体調整ホルモンを分泌する器官などと、
これらの臓器を司る機能も表しているのです。

「腎」とは、つまるところ、生命の源であり、人間の生命力に他なりません。

「腎虚」というのは、腎の気が乏しい、つまり生命力の弱った状態を言いますが、
黒ゴマや黒大豆など黒い食品には、この腎虚に陥った状態を快復させる働きがあります。

人体の老化・病気の約90%の原因は、活性酸素による、いわば人体のサビつきが原因と言われています。

ゴマなどの抗酸化作用にすぐれた食材は積極的に摂取したいものですね。^^v