アラカルト

48:寒天の活用(ダイエットと生活習慣病のために)

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菩提寺である天竜寺の墓地を裏から抜け、青竹さんざめく嵯峨野の小道を歩いて、祇王寺を過ぎて茶店で一服。
ビールを我慢して、ひんやりとした、ところてんを(京都では、黒蜜をかけて)味わいながら、風のそよぎに耳を傾ける。
過ぎ行く風も一期一会、過去もまた帰らず、ショギョウムジョウだなあ。(笑)

徒然なるままに、ところてんについて、考えてみましょう。

ところてんは、海草のテングサを煮た液を固めたもので、平安時代から既に食されてきました。

近頃、ダイエット食品や健康食品として注目を集めてる寒天は、
ところてんを凍結・融解・脱水・乾燥させたものです。

乾物状の寒天が発明されたのは、今から350年ほど前のお話。

4代将軍徳川家綱の時代、京は伏見の美濃屋太郎左衛門の旅籠に、
参勤交代の途上にある島津公一行が宿泊した際、晩餐に出したところてんの余りを庭に放置しておいたところ、
厳寒の折、翌朝に凍結し、日中に融解して乾燥し、白く美しい干物になりました。

不思議に思った太郎左衛門、これを煮てみると、なんと元のところてんになるではないか!

彼がさらに研究を重ねて、寒天の製造を創始したと伝えられています。

最近では、2004年に、イギリスの国際的医学雑誌に寒天の効用が紹介されて、世界中に広まっていますね。

それによると、血糖値・コレステロール値・血圧・体重を減少させる効果が取り上げられ、
食物繊維が豊富なため、食べると満腹感が得られるのに、カロリーはゼロということで、
ダイエットと生活習慣病には、大いなる期待が寄せられています。

寒天の種類は、棒状に乾燥させた「棒寒天」、糸状に乾燥させた「糸寒天」、
乾燥させたものを粉末にした「粉寒天」の3種が、スーパーなどで出回っていますね。

「糸寒天」は、古くから和菓子職人たちに、凝固剤として常用されてきました。

普通の家では(?)、「棒寒天」や「粉寒天」を、ところてんやあんみつの具、
ゼリー状のデザートのために使うことがほとんでではないでしょうか?

ダイエットや生活習慣病の予防・治療のためには、デザートの凝固剤だけでなく、
もっと食生活に活用したいものですね。^^

例えば、「糸寒天」の活用・・・
「糸寒天」を水で戻すだけで、食感の楽しめるクセの全くない食材として、
普通にサラダなどに利用できます。

糸寒天の生春巻きは如何でしょう?

1.糸寒天を酢水に浸けて、充分に戻しておきます。
2.レタス、キュウリを千切りに、セロリの筋を取って千切りにしときます。
3.春巻きの皮を、ぬるま湯に一枚ずつ浸して戻し、濡れ布巾を掛けておきます。
4.戻した春巻きを一枚敷いて、野菜と糸寒天を載せ、刻みピーナツ(クルミ、カシューナッツ、アーモンドなど)をまぶして、
茹でエビ(スモークサーモン、生ハム、白身魚の薄創りなど)を、くるくるくるりんと包み込みます。
5.食べやすい大きさに切り、切り口が美しく見せるようにポーズさせて皿に盛り、
スイートチリソース(チョジャン、カラシ醤油、ポン酢など)にちょい付けして、お召し上がり下さい。

野菜のシャキシャキ感、春巻きと糸寒天の2種のもっちり感が、
絶妙なハーモニーとなって、エビやサーモンなどの具の美味しさを引き立ててくれますよ。^0^/

例えば、「粉寒天」の活用・・・
「粉寒天」をご飯に加えて、普通に炊くと、ご飯にツヤが増してピカピカに光り、
取れたての新米のようなもっちりした食感に仕上がります。
おまけに、寒天を加えて炊飯したご飯は、冷めても美味しいっ!^^

これからまだまだ暑いシーズン、「粉寒天」を使って、
ひんやりつるんとした「スープの寒天寄せ」は如何でしょうか?

粉寒天は、水600ccに対して、小さじ1杯が適量です。

1.市販の粉末フカヒレスープ(たまごスープ、ワカメスープ、コンソメスープなど)と、
粉寒天、水をかき混ぜながら沸騰させる。(アクが出たら、取ってね。^^)
2.弱火にして、スープが仕上がる1分前に、1cm角切りの焼き豚(缶詰のスイートコーンなど)を加え、
火を消すときに、小口切りのアサツキネギ、少量のゴマ油を加える。
3.あら熱が取れたら、型パッドに流し入れ、さらに冷えたら、冷蔵庫で固める。
4.ひんやりとしたスープの寒天寄せを、食べやすい大きさに切り分けて、
サラダ菜やグリーンリーフレタス、プチトマトなどを添えて召し上がれ。^^

最後に、寒天は、湿気を極端に嫌う食材です。

残った寒天は、缶などの密封容器に入れて、ノリやクッキーなどの乾燥剤を入れたり、
乾燥した場所に置いておけば、3年程度は、変質することもありません。