アラカルト

50:夏場は特に梅干を (薬膳料理レシピ付き)

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梅はその日の難のがれ。」ということわざがありますね。

朝、出掛ける前に梅干を食べると、その日の災難を免れるという意味ですが、
江戸時代、旅人が、水アタリや食アタリ、その土地特有の熱病や風土病にかからないように、
梅干を常備薬として持ち歩いていたことや、どこの家にも梅干しが常備されていたことが由縁だそうです。
梅干しに殺菌効果があることは、学問的にも認められ、多くの人が体験しています。
今でも旅館などの朝食やお弁当に梅干が出されるのは、食中毒の予防でもあるわけですね。

冷蔵・冷凍などの保存技術が発達している今でも、夏場は特に、細菌性の食中毒にかかる人は少なくありません。

数年前から社会問題になっている、O-157をはじめとしたサルモネラ菌、
黄色ブドウ球菌などの食中毒を起こす細菌は、味やにおいなどがほとんどなく、
腐敗臭や酸っぱい嫌な味がしないため、細菌の有無が判断できないのです。^^;

梅干しに含まれているクエン酸には、こうした細菌を抑制する働きがあります。

おにぎりやお弁当などに梅干しを入れることで、腐敗細菌や食中毒細菌の増殖を抑えて、
腐敗を遅らせることができるのです。

スポーツ時や暑い日の労働後、レモンを食べるとスッキリ疲労が回復するといわれますが、
これも、クエン酸の効果なのです。

実は、梅干には、レモンよりもたっぷり多くのクエン酸が含まれています。

疲労の原因は、体内に蓄積された乳酸と呼ばれるものです。
体内ブドウ糖をエネルギーに換えるときに、エネルギーとともに作られるのが乳酸です。

体の中に乳酸がたまると体内は酸性に傾きます。
これが疲労という形になって現れてくるのです。。

疲労回復のためには乳酸を分解すればいいわけですが、このときに活躍するのがクエン酸です。
クエン酸は、疲労物質である乳酸を、水と二酸化炭素に分解して、体外へ排出する働きが
あります。

さらにクエン酸はタンパク質・デンプン・脂肪を、効率よく燃焼させて、エネルギーに変えてくれ
るのです。

梅干しを日頃食べることは、疲労回復に効果があるばかりでなく、
疲れにくい健康な体を作ってくれるんですね。 ^^

また、「梅干しは三毒を断つ。」といって、体内の気・血・水が、邪に傾かないようにしてくれます。

日本人の三大生活習慣病であり、三大死因は、ガン・脳卒中・心筋梗塞です。

このうちの脳卒中と心筋梗塞は、動脈硬化が主な原因といわれています。

最近、日本の食生活もどんどん欧米化してきて、生活習慣病もそれにつれて増加の一方をたどっています。ーー;

ファーストフードやコンビニ食、レトルト食品ばかり摂っていると、
血液はドロドロになってしまい、体は酸性に傾いてしまいます。
その結果、頭痛や肩こりなどの症状が現れ、
ひどいときには動脈硬化や脳梗塞といった生活習慣病にもなりかねません。ーー

人間、40歳~50歳以降になると、血管の老化や生活習慣の乱れなどが原因となって、
血管の内壁にコレステロールや老廃物が付着し、血管の壁が厚く硬くなりがちです。
そのために血液が流れる血管の穴そのものが狭くなり、詰まりやすくなります。
これが動脈硬化や脳梗塞の原因なのです。

さっき、疲労物質が体内に溜まった乳酸と言いましたが、
実は、乳酸は、動脈硬化の原因にもなっているのです。

最近では、クエン酸に血圧を下げる働きがあることも知られていますから、
高血圧や高脂血症、動脈硬化には、梅干しは優れた薬禅と云えるでしょう。

ガンや老化の原因を作っているのは、活性酸素の一つである過酸化水素です。

梅干を食べたとき、見たときに湧き出る唾液には、グルタチオンペルオキシダーゼとカタラー
ゼなどの酵素が含まれています。

これらの酵素は、発ガン性物質の毒素を消す働きがあります。
また、カタラーゼには、過酸化水素を水と分子状酸素に分解して、
毒素を消す作用がありますので老化も抑制してくれます。

女性やお年寄りに多いのが便秘ですが、
胃腸での消化・吸収がスムーズに行われなくなると便秘になります。
便秘になるとニキビ、吹き出物など肌のトラブルなども起こります。
梅干を毎日食べると、便秘が自然に解消されていきますよ。

これは、梅干しに胃腸の運動の働きを活発にする効果があるほかに、
腸内の殺菌作用があるからです。
細菌は酸に弱いため、クエン酸の強い酸性によって殺されてしまうのです。

生活習慣病の体質であり、日本の食生活問題である血液の酸性化は、
梅干しに含まれる有機物が、酸性の食品に含まれている酸化物を減少させてくれ、
血液をアルカリ性に保ってくれます。
人間の血液は弱アルカリ性が一番健康的なのですからね。

梅干しは酸っぱいので酸性食品と思われがちですが、実は、アルカリ性食品なのですよ。

肉や米、パンなどが酸性食品です。
反対に梅干しをはじめ、野菜や海草、果物などがアルカリ性食品です。

酒飲みのあなた(私もじゃ。自爆!)。
二日酔いは、常在戦場の今世の体内で、我がカン軍が、酒に敗北を喫して起こるもの。(笑)
けなげな肝臓のアルコール処理能力が追いつかず、血液中の酸素が不足するために起こりよるんですねえ。。

ふっふっふ。梅干しには、胃腸の粘膜を保護する働きもありますわ。
アルコールは胃腸から吸収されるので、お酒を飲む前に梅干しを食べておくと、
胃腸を保護する粘液の分泌を高めることができます。
そのためアルコールの刺激を緩和させることができるのです。^^v

また、その日の気分と体調で、飲みすぎて二日酔いになってしまった場合も、
梅干しを食べると、荒れた胃の粘膜の修復が早くなりますよ。 ^^
(誰じゃ。そこまでして飲まんでも?なんて、言っちゃヤーよ。^^;
酒は供養。酒は文化。酒は情。酒は・・・えっと、ええっと。アタフタ^^;)

最近、日本人の骨が劣化しているそうですが、
食材には、海草・牛乳・小魚などカルシウムを含んでいる食べ物はたくさんあるのですが、
実は、カルシウムはそのままでは体内に吸収されにくいという性質があるのです。

梅干しに含まれているクエン酸と結びつくことで、カルシウムが吸収されやすくなります。

育ち盛りのお子さんや妊婦さんにも、年配の方の骨粗鬆症の予防、
ストレスでイライラ・ウツウツしがちな私たちにも、文化と伝統ある梅干は活用したいものですね。^^

ところで、「減塩梅干し」なるモノが、消費者によく指示されているそうですが・・・

釈然としません。^^;

作ってみたら分かるけど、減塩で梅干しはできないのよ。減塩したら、カビが生えちゃう。

「梅干しが腐ると、家に不幸が起こる。」ということわざもあったぞ。ーー

本来の塩梅を無視し、塩を減らして、防腐防カビの添加物を入れるなら、それは有害食品。--;
塩漬けは本来のやり方で、その後塩抜きしたら、クエン酸も流れてしまうし、
さらに添加物など入れようものなら、それは何のため?^^;

梅干を買う際には、必ず、添加物の表示を見てくださいね。^0^/

梅干しだけじゃ、芸がないので、簡単な夏の梅干し料理も、ご紹介しましょうね。^^

ナスの梅干し煮は、いかが?とっても簡単。^^v
皮を剥いたナスを、だし汁とほぐした梅干の中にいれて火をかけます。
煮立ったら、薄口しょうゆと味醂少々で味付けし、15分くらい煮て味を含ませます。

熱いうちに食べるもよし、冷蔵庫で冷やして食べるも美味ですよ。

梅と鶏のささみの冷性パスタも、夏場、とっても喜ばれます。
ささみは塩コショウ・酒かけてレンジでチン!あら熱が取れたら、手でほぐして細くしときます。
あら熱を取ってる間に、水菜とか京壬生菜を5cmくらいに切っておきます。
スパゲッティーは、表示時間ゆでたらすぐに、冷水にさらして水を切り、
サラダ(キャノール、オリーブ、ひまわりなど)油をまぶしておきます。
梅干は種を取って包丁で細かくたたきます。
2人分だったら、梅干2個に、レモン汁 大さじ1、塩コショウ少々、サラダ油 大2くらいが分量です。
ボールにスパゲッティーと、上を全部合わせて器に盛りつけ、かつお節をかけて出来上がりです!

梅干し嫌いなお子ちゃまや、フライドポテトやめられない止まらない生活習慣病予備群の方へのお弁当に。(笑)
フライポテトを作って、そのままでお弁当に入れると、昼には冷めてべとべとで美味しくないですね。^^;
裏技です。^^vこのポテトを、梅ぼしをほぐして味醂でのばしたもので和えておくと、

お昼でもさっぱり美味しく食べられますよ。お試しあれ。^^v

アボカドときゅうりの梅かつおサラダも、夏の嬉しい一品になりましょう。^^
1個のアボカドを種をとってから皮をむき、1cmの厚さのいちょう切りにします。
きゅうりは2本、ところどころ皮をむいて1cmの厚さに横に切ります。
梅干しを2個、種をとって包丁でたたき、しょうゆ大さじ2・水(味醂)大さじ2と混ぜ合
わせ、アボカド・きゅうりを加えてさっと和え、器に盛って、削り節をひとつかみを載せて出来上がりです。
アボカドときゅうりの食感のハーモニーが、梅かつおの味とあいまって、美味ですよ。^^v