アラカルト

96:2012年の傾向

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黄帝内経の天元紀大論を紐解くに、辰・戌の年は、太陽が天を司る年で、寒気を主とすると書かれています。
この太陽とは、三陰三陽の陽気、少陽・陽明・太陽の陽気の一つ。
太陽が天を司る年には、季節はずれの雨や雪が降り、水湿の気が物を変形させる、と気交変大論にあります。
人は、腹が脹れたり、腸が鳴ったり、腹を下したり、消化不良になりやすく、また咽喉が渇き、めまいがすることもあると書かれています。
神門脈が途絶えると死ぬと記載されていますので、今年の季節病には、この経絡の気を通すことが大切でしょう。

同じく気交変大論には、壬の年は、木運大過とあります。
六節蔵象論には、五行の大過・不及についての細説がありますが、一般に立春(2月4日)から推算して、もし季節が未だ来ないのに気候が来たならば、
それを大過というと書かれています。
大過は、本来ならば所不勝である気を侵し、所勝の気を抑圧するとあります。
それにしても中医学や漢方では、四柱推命以上にややこしく難解な記述があることよ。^^;
所不勝とは、自分が侵されるもので、所勝とは、自分が侵しうるもののこと。
木気なら、金剋木で金気が所不勝、木剋土で土気が所勝です。
ゆえに、今年は木気が金気を逆に侵し、土気を抑圧する「侮金」「気淫」の状態が起こると推論されます。
もう少し、分かりやすく説きましょう。^^;
木運が大過の年は、風気が広がり、木剋土で、土の脾が害を受けやすくなります。
このため、人は、消化不良による下痢や食欲不振になり、身体が重く、気持ちが晴れずにイライラしたり、怒りっぽくなったり、
気分がふさぎこんだりして、腸が鳴ったり、腹が張ったりする病気になりがちとなります。
木気が盛んになりすぎると、人は肝気が強くなって怒りやすくなり、めまいや眩みなどの頭の疾病が起きやすくなります。
木剋土で、土気が不振で、木気だけが盛んになると、風気が荒れ狂う傾向となります。

このため、台風や黄砂、風害などは強くなり、地上の草木は動揺し、枝葉が吹き落とされて、
人はこれが体内に起こると、脇が痛み、嘔吐が止まらなくなるとあります。
衝脈が途絶えると、間違いなく死ぬとありますので、こうした症状には、衝脈を念入りに気を通すことが大事でしょう。
至真要大論によれば、過度に発達した風気が作用して、気候は温熱となり、長夏(陰暦6月なので、今年は7月19日から8月17日まで)の季節に風が多く、
雨が少なくて干天が続き、湿であるはずなのに湿らず、異常気象となれば、脾の病気が発生しやすくなるのです。
木気は、極限にまで達すると必然的に衰え、金気がこれに常してやって来て、金剋木の状態を起こします。
秋は短く、冷たい風や雨によって、急速な冷えが生じることでしょう。
人は、その邪気で、肝を損なうことになります。
これは、五常政大論の記載ですが、木運大過の年に「啓陳(けいちん)」の功徳が正常に行なわれなかったために、金の収気が報復にやって来たためということ
です。
「啓陳」とは、古い物を排除して、新しい物を打ち出す、という意味で、啓陳の功徳は、風穏やかで。古いものを排除して、新しいものを広めること、とあります。
啓陳の作用は発生で、その表現は麗しさ、その政策は散布で、その法令は伸びやかに行き渡るとあり、正しい木剋土が成されれば、土気は順調に行き渡り、草木
が盛んに茂り、陽気は温和で四方に達し、陰気は陽気に従って動いて、発生の気は豊かになり、万物は生き生きとして繁栄に向かうと、岐伯は黄帝に述べるので
す。
「啓陳」の変化は、荒れ狂う強風で樹木を吹き倒し、その発病は憤怒として現れ、
人の経脈では、蕨陰(けついん)と足の少陽、内臓では、肝と脾に現れると書か
れています。
古代、為政者たる王の天子たる由縁は、徳篤ければ気候は温順で五穀豊穣、徳あらずんば異常気象に天変地異の乱ありとか。
現代の日本は民主主義ですので、いわば国民の徳の総質量によって、自然との調和と恵みが生じるか、波乱と災難が生じるかが問われる。
そう考えると、私たちはもっと自然に謙虚で、人にも地球にも優しくあるべしと思いますね。^^;
古い悪いものを捨て手放し、新しいものを生み出し、穏やかに伸びやかに麗しく行き渡らせようと意識行動することが、
私たちの今年の課題かもしれませんね?
九星気学では、2012年2月4日からの一年は、六白金星が中宮の年となります。

1月は六白金星が中宮の月で、予兆の生じる月。10月は再び六白金星中宮月で、年月の九星重なる焦点の月。
六白金星中宮ならば、必ず南東の巽宮(四緑木星の本地)に五黄土星が入って五黄殺となり、
対沖の北西乾宮(六白金星の本地)に七赤金星が入って暗剣殺となります。
九星気学の古典「三才発秘」の中にある「九星飛泊の口訣」から抜粋すれば、
「土虚(むな)しくして木旺の地に逢えば、脾腹に患いあり」(木刻土は、多く脇腹の疾病がある。)
「筋骨の疼痛はただ木の金傷を被るに因(よ)る。」(筋骨の痛みは、金剋木が原因である。)
「下元の冷退は蓋(けだ)し禄存(ろくぞん)の土傷に因らん。」(陰暦10月15日からの冷える病気は、木剋土が原因で生じるのである。)
黄帝内経の記述にも重なるところがありますね。
七赤金星暗剣殺ですので、節分までに整理されなかった、金銭や恋愛面の問題は、タタリあるかも?(ワラ~)
1,4,7,10月、それらは現れやすくなるでしょうね。
六白金星の象意は、天・空・目上などなどですが、人の意見は天の声、目上や年長者など先賢の知恵を借りて、適応、進化していきましょう。^^v