身近な仏教用語

05:四苦八苦、五蘊(五陰)、六境、六識

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苦しみとは、心身が痛んでつらい状態を指しますね。
生きとし生けるものは全て苦を伴って生きています。

四苦とは、生老病死の苦を指します。

八苦とは、この四苦に愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五蘊盛苦を加えたものです。

愛別離苦(あいべつりく)とは、愛するものと別れる苦しみのことです。
怨憎会苦(おんぞうえく)とは、うらみ・憎むものに会う苦しみのことです。
求不得苦(ぐふとくく)とは、求めても得られない苦しみのことです。
五蘊盛苦(ごうんじょうく)とは色・受・想・行・識の5要素の作用から起こる苦しみのことです。

五蘊は五陰(ごおん)とも呼びますが、仏教では、全ての存在はこの5要素が因縁に よって、仮に和合したものであるとされています。

色とは、物質・肉体のことです。
受とは、感覚・感受作用のことです。
想とは、知覚表象作用のことです。
行とは、意志その他の心の作用のことです。
識とは、識別作用のことです。

識には六識あって、色「しき」(形あるもの)・声「しょう」・香「こう」・味「み」・触「そく」・法「ほう」(認識の対象となる全てのもの)の六種の対象(六境と云います)を知覚し認識するものです。

すまわち、眼識「げんしき」(視覚)・耳識「にしき」(聴覚)・鼻識「びしき」 (嗅覚)・舌識「ぜつしき」(味覚)・身識「しんしき」(触覚)・意識「いしき」 (分別や思案する心の働き)の6種です。
般若心経や、その他の仏典にもよく見かける言葉ですね。

私たちは、生きているがゆえに感じ考えることができるのですが、その要素や作用自体が、また生きていること自体が、苦を生じる原因であり、同時に進化し悟りを得る原因や要素でもあると云うことです。
生きているがゆえに、悩み、苦しむ。その悩みや苦しみこそが、私たちを進化・成長 させる大事な糧なのです。

苦あれば楽あり。
因果応報の法則により、精進すれば、必ずいつかどこかで報われる ものです。
そう、信じましょう。

苦味と書いて、「にがみ」と読みますね。
味覚の発達していない子供達は、苦味を楽しむことはできません。

苦味が分かれば、成熟した大人の証拠。
そう考えて、苦を味 わってみましょう。
良薬口に苦し。

陰陽五行の法則からも、火生土の定理から、苦は極まって甘となる。

そんなことを考えつつ、コーヒーブレイクしております。
夜はビールが飲みたいな。