アラカルト

05:火傷の手当て

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今まで、火傷の緊急手当ては、とにかく流水で冷やすことが常識になっていました。
しかし、冷やしても、既に熱によって皮膚組織は破壊されており、氷なんかに当てたり、
水を当てたりすることで、皮膚が余計に破壊されて、跡が残ってしまうことが、多々あるのです。

跡を残さず、早く治すには、密封(閉鎖とも云う)療法が優れています。

水ぶくれが出来る程度までの火傷は、すぐに馬油を塗布し包帯すれば、
痛みもすぐに消え、数日で完治しますが、完治までの日数の長短は、
火傷して馬油を塗るまでの時間の長短に正比例します。

つまり、水で冷やしたりして馬油塗布が遅れると、痛みも長引き、治る日数も長引きます。
火傷とは、外部からの加熱で、人体の表面が火災を起こしている状況といえます。
火災とは、《急激な酸化作用》をしている事で、水で冷やすのは消防車が
放水して鎮火しようとするのに似ています。
馬油は水ではなく、消火器が出す《炭酸消化剤》とでも思って下さい。
水よりも遥かに強力に早く鎮火します。

その理由は、完全に皮膚の空気(酸素)を排除し、遮断するからです。
水で冷やしても、毛穴の奥や皮下組織に空気(酸素)が残りますから、
その酸素が尽きる何分間かは、火傷は進行します。
馬油を塗布すると、三十秒で火傷の進行は停止します。
相当ひどい火傷でも直ぐに塗布すれば、痛みも数分で和らぎます。

馬油の製造工程で、百二十度くらいまで加熱して脱水する工程がありますが、
或る時馬油製造工場で、不注意で、煮えたぎった馬油の中に腕を突っ込んだ女性がいました。

普通は、油で火傷すると熱湯の火傷よりひどいのです。
熱湯は百度以下、油は百二十度、しかも粘度があって附着度が強いからです。
その女性の腕は真赤になり、約五分間は痛みましたが、三十分後には平常の肌に戻りました。
火傷したとたんに馬油を塗った、のと同じ事の結果ですが、『一秒でも早 く……』と断言する最適の実例です。

現在の医師の治療法では、度数3の重症火傷は、ケロイド皮膚になるのが常識ですが、
馬油治療でケロイドになった事は一度もありません。
医師の治療を受けている人でも、患部がただれている間なら間に合いますから(四~五日位まで?)、
ケロイド痕を残したくなかったら馬油に切り替えることをお奨めいたします。

手当ての方法は、

先ず、たっぷり馬油を塗ったら、二枚折りにしたガーゼ にも馬油を塗りつけて、傷口に当てます。
次に、ガーゼの上からビニールシートを当てて包帯します。

ビニールシートは食品用の薄いビニール袋等を切って作るといいです。
子供などは動き廻って患部をこするので、ビニール紙の上からタオルなどを当てて、
その上から包帯した方が良いでしょう。
馬油塗布量が充分だったら、包帯したまま一週間位はそのままにしていて良いのですが、
心配だったら翌日包帯を取って見て下さい。
もし馬油が不足しているようでしたら、ガーゼの上から塗り足すだけで、 又元通りに包帯をします。

大切な事は、ガーゼが血汁で貼りついていたら、絶対に剥ぎ取らぬことで す。
重症の場合は、傷からは血や、《黄色い膿かと思われる血漿》がガーゼに滲み出て、
それが臭いので化膿しているのではと、必ず心配しますが、大丈夫です。
化膿することはまずありません。

患部に当てているガーゼは臭くなり、ガーゼの馬油には細菌が一杯吸い取られて生きていますが、
馬油に捕まった細菌は人体に戻ることは出来ず、化膿を起こすことも絶対に不可能なのです。
貼りついているガーゼを剥ぎ取ると、折角出来かけている新しい皮膚が破れ、
それを繰り返すと必ずケロイド肌になります。

3度の重症の場合、七日~十四日ほどで、新しい薄い皮が出来て、
ガーゼの貼り付きが解け、痛みもなくスルリと剥ぎ取れるようになります。
しかし、新しい皮膚はまだ薄くて、赤色や茶色、黒色をしており、さわると痛いでしょう。

そこで初めてガーゼを新しく取り替え、最初と同じ手当てをします。
その後は、毎日少しづつ皮が厚くなり、触っても痛くなくなったら、包帯を取っても良いが、
赤黒く変色している患部には、毎日薄く馬油をすり込み続けて下さい。
患部が完全に元の肌に戻るのは、包帯がとれてから、一ヶ月くらいです。