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09:昼食後の眠気対策

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昼食後の眠気は誰もがしばしば経験します。

食事をとると、体内の血液が消化管に集まって、脳への血液が少なくなります。

また、食事で脳の満腹中枢が刺激を受けて、ある睡眠物質が働きます。

そして、生体時計のリズムが昼食後の眠気の大きな要因です。
人の眠気のリズムは半日リズムで二つ山があって、
大きい方は午前2~4時、
小さいのは午後1~4時です。

このリズムと昼食が重なって昼食後は眠くなるのです。

交通事故や工場でのミスが多発する時間帯は、眠気リズムの時間帯と一致します。
眠気を我慢して仕事をするのは能率が悪く、また、危険です。
昼食後の自動車の運転も要注意です。

睡眠には脳の休みのノンレム睡眠とからだの休みのレム睡眠があります。
昼寝はノンレム睡眠の初期の浅い眠りで、脳の活動レベルが深く下がる前に目覚めるため、
覚醒への移行に無理がなく、目覚めがすっきりします。

個人差がありますが、15~30分までが適当でしょう。

労働省産業医学総合研究所の調査では、
20、30歳代の男女30人を昼食後15分と45分の仮眠、睡眠なしの3郡に分けたところ、
そのなかで、刺激に脳が一番早く反応し、
また一定時間に英文を書き写すテストでミスが少ないのは、いずれも15分群でした。

特に、夏の昼寝は体内時計に合わせて、暑い時間帯を休息する意味で合理的です。

昼寝は疲労回復効果があり、短い眠りでも脳の活動レベルを下げて休息効果があります。

また、脈拍が減り、血圧も下がるなど、心身のリラックス効果が大きいようです。

最近街に昼寝のスペースを提供するビジネスが始まり、名古屋にも出現しました。

眠気を我慢せず昼寝して、後、効率よく仕事をするほうが賢明です。

昼寝ができなければ、椅子に座って数分の居眠りでも頭脳の疲れの回復に効果があります。

もしも、わずかの昼寝も居眠りもできず、とにかく眠気を抑えると言うならば、
消化時に胃に血液が集中せず、体に負担をかけない食べ物を摂るか、昼食を抜くことです。

私の場合は、昼食を抜いて雑用や学習、家事に時間を当てていますが、
時間が生み出せ、ずいぶん助かっています。

昼食を摂るなら、お勧めしたいのはうどんです。

うどんの主な成分の糖質、つまりデンプンは体のエネルギーになる素です。
脳は糖質で働く器官ですので、脳の働きにも欠かせないガソリンのようなものです。

うどんの場合、デンプンはばらばらの状態で一つ一つが網目状のグルテンに包まれているので、
その分、間に消化酵素が入りやすく消化が楽に速く行われます。

そのため、昼食後の眠気を抑えられたり、
筋肉のほうに血液が必要なスポーツ前の食事に有効だったりするのです。

最もその威力を発揮するのは、風邪のとき。
余分な体力を使うことなく消化され、しかも即効性のあるエネルギー、
ブドウ糖に変化して、ウィルスに対抗する準備ができあがるのです。

デンプンばかりでは太るのでは、と思われるかもしれませんが、
1玉のカロリーはご飯でお茶碗約1杯半です。
うどんのエネルギーは脂肪の少ない低カロリーのもので、
一食分の白米飯よりも糖質が少ないくらいなのです。

これが全粒粉のうどんだとビタミンB1も多く、ブドウ糖の燃焼を助けることにもなります。

さらに物忘れやイライラも解消、神経の伝達までよくなる効果もあるのですよ。