アラカルト

124:年神様とは

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いよいよ、歳も暮れますね。
玄関先に「しめ飾り」を用意しなくちゃです。

そもそも「しめ飾り」は、神社などでよく目にする「しめ縄」にお飾りをつけたもので、

縄を張った内側が神様をまつるのにふさわしい神聖な場所であることを示すためのもの。

毎年お正月に家々を訪れ、一年間の幸せをもたらすといわれている年神様をお迎えするため
のものです。
門松は年神様が来訪するための依代であり、鏡餅は年神様への供え物です。

いずれも縁起物ですが、29日に飾るのは二重苦にちなみ縁起が悪い。^^;
31日に飾るのは「一夜飾り」といって、年神様をおろそかにするので避けられたそうです。

日本人なら、誰もが知ってる正月風景のしめ飾りや門松、御鏡餅ですが、
はてさて、年神様とはどんな出自なのでしょうね?

中世ごろから、都市部で「年神(歳神)」は「年徳神(歳徳神)」と呼ばれるようになったとか。
徳は得に通じ縁起が良いとされたためですね。
これが方位学にも取り入れられ、歳徳神のいる方角は「恵方」と言って縁起の良い方角とされ
ました。

暦には女神の姿をした歳徳神が描かれていますが、神話に出てくる大年神は男神
であり、翁の姿をしているとされます。
元々民間信仰の神であり、その姿は様々に考えられていたということでしょう。w

暦は陰陽家が作成したものに由来しますが、陰陽道では、娑謁羅竜王(しゃから
りゅうおう)の娘、女神・頗梨采女(はりさいじょ)のことを年神といい、元旦
に来訪する神霊といいます。
のちに、これに先祖霊が加えられ、習合したモノです。

本居宣長は年神の「年」は稲の実りのことで、穀物神、農耕神としました。
日本神話では、スサノオと神大市比売(かむおおいちひめ・大山津見神の娘)の間に生まれた
大年神(おおとしのかみ)としています。
両神の間の子にはほかに宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)がおり、これも穀物神ですね。
また、大年神と香用比売(カヨヒメ)の間の子に御年神(みとしのかみ、おとしのかみ)、孫に
若年神(わかとしのかみ)がおり、同様の神格の神とされています。

「古語拾遺」には、大地主神(おおとこぬしのかみ)の田の苗が御年神の祟りで
枯れそうになったので、大地主神が白馬・白猪などを供えて御年神を祀ると苗は
再び茂ったという説話があります。

毎年、どなたの家にも訪れて、一年の幸をもたらすという霊験アラタカな年神様。
今年もオロソカにせず、縁起を以って、来臨応護してもらいましょう。^^

さて、このしめ飾りなどは、年神様が帰るとされる1月7日に外すのが一般的だが、
地方によっては15日まで飾っておくところもありますね。
外した「しめ飾り」は、小正月の15日に開催される神事「どんど焼き」で燃やす
のがベストですよ。

近所の神社の古札納所に持っていけない場合、家庭ゴミで出す場合は、神聖なモ
ノですので、せめて他のゴミと袋は分けたいものですね。