アラカルト

83:人間関係に於ける「百度参り」の効果。

コメント

神仏に願い事をするのに、「百度参り」という法があります。

これは、一つの神社やお寺を定めて百度通ったり、お堂を百度時計回りに巡ったり、

参道を百往復して願い事を念じるもので、古来、それなりのご利益があるものと信じられて来ました。

何度もお参りを重ねると、神仏もその人に好感を抱き、ご利益を下さるとか?(笑)

これは、心理学上、人間関係にも当てはまることです。
心理学では、頻繁に会っている相手には、次第に好感を覚えてくるという「熟知の法則」という法則があるのです。

この法則は、アメリカの心理学者、ザイアンスが、実験により実証しました。

卒業アルバムから、アットランダムに抽出した女子学生と男子学生の写真を、A~Fの6組に分けて、
複数の異性の学生に、彼は見せました。
ただし、見せ方は、こうです。
A組は1回、B組は2回、C組は5回、D組は10回、E組は25回で、F組については1回も見せない。
そして、しばらく時間を置いてから、もう一度、それぞれの組の写真を見せて、その印象を尋ねたのです。

その結果、A<B<C<D<Eの順位で、見る回数が多くなればなるほど、好きだと答える傾向が強かったのです。

この実験は、写真だけでなく、実際の人物と対面させる場合でも、同じ結果が得られています。

つまり、人間は、ある特定の人物と会ったり、見たりする接触回数が多くなるほど、好感を抱きやすくなる
という習性が働くのです。

これを応用しているのが、TVなどを利用して、アイドルを生み出している会社ですね。
私はあまりTVを見ないから、「なんで?これがアイドルなんだ?」と思ってしまうが。^^;

何度も会ったり、見たりするうちに、相手になれて、気が通じやすくなり、その人が次にすることが分かるようになり、次第に信頼を置き始めていく。そうした人間の心理を理解すると、職場でも、よく声を掛けて、顔をきちんと合わせることの大切さが分かりますね。^^

周囲の席の人や、部署の関係者、狎れてしまって無意識になっている家族や仲間との関係も、
一度、見直してみることも、大事ですよ。^0^

ただし、この法則、唯一の注意点があります!

それは、第一印象が悪いときや、噂などの「刷り込み」による悪印象がある場合には、

この効果は、期待できない、ばかりか、ますます嫌われてしまいかねないということです。^^;

人は見かけによらぬもの、とは云いながら、心理学上、どのような場合にも、第一印象は、
大切にしなければ損をするものです。

端的に言うなら、笑顔を示し、姿勢を良くすることですね。

このあたりは、また時間がある時、考察してみましょう。^^v