アラカルト

15:「酢」の効用

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最近では、栄養成分からみる根拠から、「酢」は健康によいことがわかり、「もろみ酢」「黒酢」「リンゴ酢」などの飲料向けの飲みやすい健康食品が生まれています。

同じ酢は酢でも、原料や製造法によって風味や栄養価、健康効果も異なります。
いろいろな酢について、原料や製造法、飲む以外の利用法などのお話を通して、最適な「酢」の選び方を考えてみましょう。

1. 製造法からみた「お酢」の種類

醸造酢は、製造方法により、大きく分けて「醸造酢」「合成酢」「加工酢」に分類されます。

◆ 醸造酢 - 酵母や麹などの微生物で発酵させます。

◆ 合成酢 - 酢酸発酵ではなく、化学反応させ、化学調味料や人口甘味料を添付した シロモノです。

◆ 加工酢 ー 醸造酢に調味料や香辛料などを加え加工したものです。

「もろみ酢」「黒酢」「リンゴ酢」などの代表的な健康飲料は、代謝に欠かせないクエン酸やリンゴ酸などの有機酸、人間の体を作るアミノ酸、ビタミン、ミネラルなどの栄養成分が含まれています。
この栄養含有量に差があり、これが健康への効果を左右します。

2. 今回は代表的な3つの健康酢についてお話します。

酢のはたらきに合わせて自分に合う酢を選びましょう。

1) もろみ酢

原料 - 沖縄特産「泡盛」の原料である精選されたタイ米
特徴 - 特にクエン酸の量が多い
効用 - ダイエット、疲労回復、肩こり、冷え性、糖が気になる、健康維持に効果があります。

クエン酸は糖質、脂質、たんぱく質を分解してエネルギーを作るクエン酸サイクルの代表物質です。
クエン酸はこのサイクルを活発にします。
このクエン酸サイクルが円滑でないと、エネルギーが効率よく生産されず疲れやすくなるのです。
疲労物質である乳酸がたまりやすくなると、糖が効率よく使われず、体脂肪に変わりやすくなります。
また、体に不調があらわれたりします。
また、クエン酸をはじめとする有機酸は、血液をさらさらにするといわれ、血行不良のために生じる肩こりや冷え性の方にとっても一役買ってくれます。

2) 黒酢

原料 - 玄米、白米、ハトムギ
特徴 - 特にアミノ酸、有機酸、ビタミンB群、ミネラルが多い
効用 - 肌や爪にはりがない方、疲れやすい方、糖が気になる方、ダイエット、肩こり、冷え性に効果的です。

アミノ酸は、筋肉、肌、髪、爪の構成成分であり、また疲労物質である乳酸の生成を抑えるという働きがあるので、最近、肌や髪にツヤがないと感じる方、疲れやすい方におすすめです。
ビタミンB群は、糖質や脂質のエネルギー代謝を効率よくさせるので、糖が気になる方、ダイエットしたい方に向いています。
また、もろみ酢同様クエン酸などの有機酸も入っているので、血流改善の効果も期待できます。

※ 一般の酢との違いは酢の熟成にあります。
数年の熟成が進む間に、コハク色に近づき、(黒酢という名称の由来)、アミノ酸、有機酸が増え、
味がまろやかになるのです。

3) リンゴ酢

原料 - りんご
特徴 - カリウムが豊富
効用 - 血圧が気になる方に、つわりに、頭痛に、風邪などののどの痛みに効果的です。

カリウムは細胞内の余分なナトリウムを排泄し血圧を正常に保つはたらきが期待できます。
アメリカで最も長寿者の多い地方バーモンド州では「バーモンド療法」と言う自然食療法があり、その食品にひとつが「リンゴ酢」であるということが紹介されてから、健康食品として広く知られるようになりました。

バーモンド療法に期待できる効果

つわりを緩和する ・・・ グラス1杯の水に、リンゴ酢を茶さじ1杯を加えて飲む。
慢性頭痛を楽にする ・・・ 同量の水とリンゴ酢を鍋などで、ゆっくりと温め、蒸気を顔に当てる。
風邪などののどの痛みに ・・・ 大さじ1杯のリンゴ酢とはちみつを水で薄めて、うがいまたは飲む。
もちろん、リンゴ酢にもクエン酸が含まれているので、疲労回復、肩こり、ダイエットなどにも役立ちます。

3. 合成酢は、水虫に効くのです。

殺菌作用のある「酢」は、お水で薄めて、野菜などの食材やまな板、ふきんなどの洗浄に使用することで、殺菌効果がみられます。
料理に使うだけでなく、お風呂に少量入れたり、水虫などにも効果が期待できるようです。

4. 焼酎に酢もよいものです。

また、焼酎を割るときの水やウーロン茶の代わりに使うと、まろやかな味のもろみ酢割や黒酢割、さわやかな味のリンゴ酢割など、健康とお酒とが同時に楽しめます。
ただし、過ぎたるは猶及ばざるが如し(^^ゞ

以上のように、「酢」は、調味料や健康維持としての飲料だけでなく、うがい、蒸気をあてる、殺菌、水虫・・・と様々な利用法があります。
自分に合ったお酢を選び、健康維持に、お酒に、殺菌に、お料理に、すのぱわーを大いに活用しましょう。