アラカルト

49:夏の家宅風水

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徒然(つれづれ)なるままにと、徒然草を読み返すと、
吉田兼好法師が「住まいは夏を旨とすべし。」と語っています。

現代家屋は、昔の家よりより密閉度が高いのですが、
健康面でも電気代などの経済面でも、住まいは夏を旨とすべしとは、けだし名言ですね。

最近の老人の死亡データでも、気温が上昇していくときの方が、
下降時機よりも死亡率が高いことが知られています。

冷房の普及で、人体のリズムが自然のリズムと狂ってしまい、
自律神経の失調やホルモンバランスの狂いを生じ、さまざまな現代病が引き起こっている現状。

住まいの環境を、クーラーだけに頼らず、工夫したいものです。

夏は先ず、風をうまく取り入れることです。

家相学上も風の流れは重要で、家の中の湿気を乾かしたり、埃を排出したり、
家にとっても人間にとっても健康的な環境をつくってくれます。

特に朝の光と風は、家屋と人間の健康と運気を良くしてくれます。

各部屋に風を通して、湿気やホコリ、カビ、気の滞りを吹き払いましょう。
陰陽師いわくの、風の神の祓えですよ。(笑)

夏を過ごしやすくするには、もうひとつ、暑い日差しを遮ることが大切です。

家相でも、仏壇や床の間は東向きが吉とあるのは、
夏の暑い西日を家の中に入れないための生活の知恵でもありました。

仏壇や床の間を東に向けるためには、部屋の西側の壁に設置する必要があり、
西側の壁には窓が取れなくなりますから、暑い西日を室内に入れてしまうこともなくなるのです。

西日の当たる部屋は室温がどんどん上昇し、不快指数や体への負担を高めるばかりでなく、
腐敗やカビの増殖、揮発性有機化合物など毒素の発生をも促します。

西日の差す部屋は、運気上は、金運と愛情・結縁運を傷めるとあります。
(事実、我が家の近くを通る物集街道を東西に挟んで、東側の店と西側の店では、
西日の差す東側の方が、圧倒的に繁盛してないような?)

西日差す南西を裏鬼門と称し、腐敗を怖れ、風通しを良くするが必定とあります。

西日の当たる窓がある場合には、西日を遮る工夫、室温の上昇を和らげる工夫が必要ですよ。

遮光カーテンは、必須のアイテムですね。^^

また、窓の外に落葉樹を植えると、夏は茂った葉が日差しを和らげ、
冬は落葉して室内に日差しを通してくれます。

また、窓の外の地面がコンクリートならば、照り返しが強いため、
土あるプランタンなどを配置することも、室温の上昇を防いでくれます。

他にも、簾(すだれ)や葦簾(よしず)、打ち水や風鈴など、
昔ながら手軽なアイテムも、先人の知恵と文化を生かした、風情ある夏の風水と言えましょう。^^v