
11月の京都はあちこちの社寺で、夜間ライトアップされた特別拝観ができます。
 最初の連休納めには、青蓮院を拝観してきました。
青蓮院は、祇園の知恩院のすぐ傍にあるのですが、江戸時代に仮御所となったこ
 とから、粟田御所とも呼ばれています。
 その貴品と格調高い池泉廻遊式庭園や境内全域を大小300の照明器具によって
 あますところなくライトアップされた景観は芸術的なレベルの高いものですね。
闇に浮かんでは消える木々や花々、紅葉の幽玄な世界、光の中で雄大な力を感じ
 る天然記念物の大クスノキ5本、青く光る静清な竹林、一面の苔庭の海に浮かぶ
 光の星。
 案内によると、「皆様お一人お一人の光がご本尊の功力によって、夜空に光のた
 ばとなって駆け上がり、世の中を明るく照らしていただきたいとの願いを込めて
 おります。」とあります。
近畿36不動の一つ、国宝の青不動明王が祀られていますが、青不動は五色の
 不動明王の中では最上位にあり、中心にあるとされています。
青蓮院のご本尊は、他では例を見ない「熾盛光如来(しじょうこうにょらい)」
 平安時代からの秘仏です。
 熾盛光如来とは、宇宙そのものを表す大日如来の仏頂尊(頭の頂きに居られる極
 めて崇高な仏)で、偉大な仏の智慧と光を発する仏様です。
私が1988年に創始した気光道では、気功でも武術でも瞑想でも、光を意念す
 ることが多く、ご縁ある社寺の一つです。
京都のもみじの紅葉はまだ三分くらいですが、今月中旬以降から12月初旬まで
 は見事な紅葉が楽しめることでしょう。
 普段、京都に住んでいると、わざわざ観光遊山には出かけないものですが^^;
 たまには四季折々の風景に触れるのも佳いことですね。^^
1.浮かび上がる「粟田御所 青蓮院門跡」の提灯と「近畿三十六不動尊 第十九
 番霊場」の立て看板。
2.門跡門主の手による書。
 「むさぼる心 憎しみの心 怒りの心に負けず 感謝の心と 人への思いやりを
 忘れず 己の中の佛の心を信じて唱える 南無大聖大悲 青不動明王」
3.御本尊「熾盛光如来(しじょうこうにょらい)」
 熾盛光如来は、光そのものであり、その化身の不動明王(国宝青不動明王)も炎
 の光を背負っておられ、光との関係が大変深いものです。
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 福田 龍博